1988年に公開された歴史・伝記映画『ラスト・エンペラー(The Last Emperor)』は、清王朝の終焉と、最後の皇帝である愛新覚羅溥儀の激動の人生を壮大なスケールで描く大作として、世界中から高く評価されています。
▼受賞の実績
第60回アカデミー賞:驚異的な8部門受賞
第45回ゴールデングローブ賞:4部門受賞
さらに、興行収入としては全世界で約4398万ドル(約95億円)を記録しました。これは、製作国である伊・中・英・米の4カ国合作としての力作ということが伺えます。
▼映画のデータ
上映日:1988年1月23日
上映時間:219分(3時間39分)
この映画の大きな特徴として、華麗で美しい映像美が挙げられます。特に、即位式のシーンや満洲国皇帝のシーンでは、主人公溥儀の心情や歴史的背景が繊細に表現されており、観る者を引き込む力があります。
また、音楽を担当した坂本龍一は、日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞。彼の音楽が、映画の雰囲気を一層引き立てています。
おすすめシーン:
即位式のシーン:
溥儀が3歳で皇帝に即位するシーンは、故宮太和殿で世界初のロケーション撮影が行われたこともあり、言葉の通り荘厳で華麗な雰囲気が圧巻。
満洲国皇帝のシーン:
日本の支援を受けて満洲国皇帝に即位した溥儀は、自分の権力を誇示するために大々的なパレードや式典を行うが、裏では日本軍や関東軍の干渉され、実質的に傀儡であることに気づく。このシーンは、溥儀の孤独や苦悩が強く描かれている。
▼トリビア
1,『ラスト・エンペラー』は、中国の歴史的建造物である紫禁城で撮影された初めての映画。ベルトルッチ監督の熱意により、撮影には中国政府の特別な許可が下りたと言われています。
2,音楽の坂本龍一は、映画にも出演。実在の天文学者・井上嘉一郎役での登場が話題となりました。
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