映画紹介｜カッコーの巣の上で（One Flew Over the Cuckoo’s Nest）｜メインキャスト・あらすじ・おすすめシーン・レビュー・裏話（トリビア）感想

2023 5/14

2023年5月14日 2023年5月14日

感想

映画「カッコーの巣の上で」は、刑務所から逃れるために精神異常を装って精神病院に入院したマクマーフィーという男の物語です。マクマーフィーは、管理主義的な婦長に反発し、他の患者たちに自由と人間性を取り戻そうと奮闘しますが、やがて悲劇的な運命を辿ります。この映画は、人間の尊厳と社会の不条理を描いた衝撃的な作品です。

まず、映画の見どころはやはりジャック・ニコルソンの演技です。彼はマクマーフィーという役柄に完全になりきっています。彼は乱暴で自己中心的で無責任な男ですが、同時に生き生きとしていて魅力的です。彼は婦長や看護師たちに挑発したり、患者たちと賭け事をしたり、無断で外出したりします。しかし、それらはすべて彼なりの自由への抵抗であり、患者たちにもその気持ちを伝えようとするのです。彼は患者たちに笑顔や勇気や希望を与えます。彼は患者たちの仲間であり、リーダーであり、友人でもあります。ジャック・ニコルソンはその役柄を見事に演じきっています。

次に、映画のテーマやメッセージにも感動しました。この映画は、精神病院という閉鎖的な空間で起こる出来事を通して、社会の問題を浮き彫りにしています。婦長は患者たちを絶対的な権力で支配しようとします。彼女は患者たちの個性や感情や欲望を抑圧し、服従させようとします。彼女は患者たちを人間として扱わず、治療という名目で暴力や薬物や手術を行います。彼女は自分の理想とする秩序を守るために、あらゆる手段を使います。この映画は、婦長という人物を通して、社会が個人の自由や尊厳を奪うことを批判しています。この映画は、「カッコー」という言葉が示すように、「狂った」社会を描いているのです。

最後に、映画のラストシーンにも涙しました。マクマーフィーは婦長に対する最後の反抗である殺害未遂事件を起こした後、ロボトミー手術を受けてしまいます。彼はもはや言葉も動きもしない廃人となってしまいます。それを見たチーフという患者は、マクマーフィーを自らの手で安楽死させます。そしてチーフは窓を壊して精神病院から脱走します。その姿はまるで鳥が飛び立つようです。チーフはマクマーフィーから受け継いだ自由への意志を実現させたのです。そのシーンは悲しくも美しくもあります。

以上のように、「カッコーの巣の上で」は見応えのあるドラマ映画です。ジャック・ニコルソンの名演技、人間と社会のテーマ、感動的なラストシーンという要素が素晴らしく調和しています。私はこの映画を見て、自分自身や周りの人々について考えさせられました。

カッコーの巣の上で（One Flew Over the Cuckoo’s Nest）
受賞歴：第48回アカデミー賞 5部門受賞
ゴールデングローブ賞
英国アカデミー賞
興行収入：1億900万ドル（約220億円）
日本上映日：1976年4月3日
製作国：アメリカ
上映時間：133分（2時間13分）
ジャンル：ドラマ